10月22日の「女性作家で楽しむ読書室」はマリリン・モンローを取り上げます。
「セックス・シンボル」として世の男性たちにあがめられながらも蔑まれ、
さまざまなスキャンダルにまみれ、36歳という若さで「謎の死」を遂げたマリリン・モンロー。
今、ハリウッドの女優たちが「#MeToo」運動を起こしていますが、マリリン・モンローも告発しました。
ただ「ピンナップ・ガールが何を言うか」と無視され苦労しました。
しかし「20世紀フォックス」と闘って自分のプロダクションを立ち上げ、脚本や監督を選ぶ権利を勝ち取ったのです。
有名なのは作家アーサー・ミラーが「赤狩り」と闘ったとき、公然と彼を応援し、結婚したことです。
取り上げる本は、グロリア・スタイネム著『マリリン』草思社、
亀井俊介著『マリリン・モンロー』岩波新書と
『アメリカで一番美しい人ーマリリン・モンロー』岩波書店です。
7月23日の「女性作家で楽しむ読書室」は小手毬るい氏の児童書 『ある晴れた夏の朝』
児童書を取り上げるのは初めて。アメリカの高校生たちが
「原爆投下は本当に必要だったのか」
というテーマで公開討論会を開くのですが、これに町中の大人たちが聴衆として押しかけ、
聴衆の投票によって勝敗を決めるというもの。
肯定派4人と否定派4人がいろんな情報や資料、さらに日本の教科書などさまざまに駆使して論陣を張っていきます。 なかでも「日本人は殺されて当然の人たちだつたのではないか」という恐ろしい論を張る高校生もいてショックでしたが、 理由として当時の日本が「国民総動員法」で、国民が一丸となって鬼のようなアメリカ兵とたたかうべしと扇動された ことをあげたり、中国での日本兵の虐殺を挙げる者あり。その国によって捉え方が全く違うことが浮彫りとなりました。
高校生たちの緻密な学びで、史実が明らかになっていく場面が出て来ます。 リーヒ大統領付参謀長の『回想録―私はそこにいた』では、日本の敗戦はすでに明白で降伏の準備もできていて、原爆投下は人体実験ではなかったかという指摘や、いろんな戦争も上げられる中、人種差別のあまりの根深さに驚く場面もありました。 平和を想像するには何が必要なのか議論がすすみ、肯定派の高校生たちが変わって行く様子が描かれ、とても興味深いものとなりました。 参加者からは知らなかった史実があり、改めて戦争についてきちんと知る大切さが強調されるとともに、保守化する日本の危惧が出され、「私たちは何をするべきだろうか」と率直に交流しました。